Yahoo知恵袋で顎関節症で悩んでいる方に回答しました。

顎関節症で悩んでいます。

1週間前に朝起きると顎が開けにくくなり、無理やり開けようとするとすごい音のクリック音がなりました。痛みもあります。

2日たって音は小さくなりましたが、食事をしてしばらく食べ物を噛んでいると、ガリッという音がして顎が開けにくくなったり(しばらく開け閉めするとだんだん治ってくる)、夜寝るときに仰向けや右向きで寝るとまた顎が開けにくくなったりしています。

先週から2回ほど歯医者に通ってマウスピースをもらい、昨日から寝るときのみつけています。

今日半日過ごしてみて、マウスピースをつけたまま仰向けで寝て、顎が開けにくくなることはなかったのですが、食事する時になんとなくまた顎が開けにくくなりそうな感じはまだのこっています。

このままマウスピースをつける治療をしていて治るのか心配です。特に安心してご飯が食べられないのがかなり苦しいです。

ちなみに歯科医師の先生には、寝る時に仰向け、右向きで寝ると翌朝顎が開けにくくなること、食事の時にしばらくすると顎が開けにくくなることは伝えました。

 

 回答

顎関節症の治療を長年おこなってきている歯科医師です。

大変分かりやすく症状を説明していただいたお陰で状況をほぼ正確に把握することができました。

食事をしたり夜仰向けで寝たりすると、ガリッという音がして顎が開けにくくなったりするということですが、これは顎関節の状態を正確に表しています。

これらの症状は下あご(下顎)が後ろ(奥歯の方向)に後退するために起こります。

ためしに下顎を前(前歯の方向)に出しながら口を開けてみてください。音もなく楽に大きく口を開けることが出来るはずです。

仰向けに寝ると自然に下顎が後ろに後退します。そうすると下顎頭(顆頭)という部分が後ろに下がって関節円板というものを圧迫して前方に移動させてしまいます。そうするとそのために口が開けにくくなったり音がするようになります。

この関係はわたしの知恵ノートに図解入りで説明していますので参考にしてください。

以下に再録します。

奥歯のかみ合わせが低かったりすると、奥歯でものを噛んだときに下顎が後上方に移動します。
そうすると顎関節が圧迫されて、関節円板(図の青い部分)が押し出されて前方に転移してしまいます。
その結果、口の開閉運動が邪魔されて口が開きにくくなったり音がするようになります。

安静位

歯医者に通ってマウスピースを作ってもらったそうですが、とてもよいことです。

マウスピースは適切に作られると下顎の後退を防いでくれるので症状が悪化するのが避けられます。

しかしマウスピースはあくまでも症状を緩和して悪化するのを防いでくれるだけで、それで顎関節症が治る訳ではありません。

一時的な突っかい棒(スプリント)の役目をはたしているだけですのでそれをはずすと再発します。

根本的な原因は奥歯の高さが低いことにあるからです。その問題を解決しない限り、マウスピースを一生使い続けなければなりません。

” 食事する時になんとなくまた顎が開けにくくなりそうな感じはまだのこっています。”ということはそのとおりです。奥歯が低い状態で食事をしていると下顎が後退した状態で顎関節が圧迫され続けるので症状は悪化します。

”このままマウスピースをつける治療をしていて治るのか心配です。” とのことですが、この点については治療をしてくれている歯科医にぜひ訪ねてみてください。

歯科界では顎関節症の治療法について定まった考え方がなく混乱しています。そのため今わたしがここで解説したような考え方がすべての歯科医師の共通認識になっているわけではありません。

最後に一つだけ大切なアドバイスをさせてください。口が開けにくくなった時には無理に口を開けようとすることは避けてください。顎を前に出しながら開くようにしてください。顎関節を傷つけないようにすることが出来ます。お大事に。