噛神合わせブログ

2019年5月10日|カテゴリー「噛み合わせ症候群の診断と治療
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肩こりや首筋の痛み、頭痛などで苦しんでいる人は多く、一種の国民病といっても過言ではありません。

それほど多くの人がが苦しんでいるのにもかかわらず、医者に行っても肩こりは治りません。

肩こりは肩の筋肉が緊張した状態です。

そのため筋肉の緊張を緩和してあげれば肩こりはなくなります。

肩の筋肉の緊張には噛み合わせの悪さが大きく影響しています。

そのため噛み合わせを治せば筋肉の緊張がとれて肩こりを解消させることができます。

今回は噛み合わせ専門の歯科医である私が、噛み合わせの異常からくる肩こりについてその「原因」「症状」「治療法」について詳しく解説させていただきます。


1. 噛み合わせが悪いとなぜ肩がこるのか?

肩こりは肩の筋肉が過度に緊張している状態です。

肩の筋肉はいろいろな原因で緊張します。

IT時代の現代では、パソコンやスマートフォンなどに向きあう時間が増えています。良くない姿勢で固まったようになってパソコンやスマートフォンに一日中向き合っている人は少なくありません。

ストレスを感じながら悪い姿勢を長時間続けていると、肩や首筋の筋肉の血行がとどこおり、肩や首筋の筋肉がこるということは多くのひとが経験していることです。

また噛み合わせが悪くなると肩がこるということも多くのひとが経験しています。

噛み合わせが悪いとまずあごの筋肉はだぜ緊張するのでしょうか。

あごの筋肉が緊張するとそれと繋がっている肩や首の筋肉も緊張します。

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ものを噛むために使われている下あごの筋肉は非常に強力な筋肉で、ものをかむ力はその人の体重に匹敵するといわれています。

また硬さや大きさが異なるさまざまな食物を咀嚼するためには微妙なコントロールを巧みに行うことが出来るように、非常に繊細にできています。

そのために食物を噛み砕いたり擂り潰したりするために使われる道具である歯の形や位置関係がうまく調和していなかったりする場合にはそれを動かしている筋肉は余計な調整をしなければならなくなり緊張したり余分に疲労したりします。

これが歯の噛み合わせが悪いとなぜあごの筋肉が緊張したり疲労したりするようになるかという理由です。

常習的な肩こりに悩んでいる人は次のような噛み合わせの違和感を感じています

     ・噛み合わせがしっくりしない

   ・噛み合わせが合わない

         ・どこで噛んでよいか分からない

   ・噛んだあと顎が疲れる

   ・あごの位置が定まらない

   ・自分が噛みたいところで噛めない

   ・前歯が先に当たって奥歯で噛みにくい

       ・たくさん噛んだあとで頭痛がおこりやすい

       ・身体にいつも力が入っている

     ・顎が曲がっていると思う

         ・口を開くときに曲がって開く

   ・顎関節症の既往がある

   ・歯列矯正をしたことがある

ご自分の噛み合わせにこのような違和感を感じている人は噛み合わせを治せば肩こりも治る可能性が高いといことができます。


2.嚙合わせが原因で起こる肩こりの症状

2-1. 肩こりで苦しんでいる人々


厚生省の国民生活基礎調査(平成28年度)によると男女ともに肩こりと腰痛は国民が不快に感じている症状のトップ5のうちの1位と2位を占めています。

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ほとんどの人は、やむをえず整体やカイロ鍼灸などの代替医療でその場しのぎの対症治療をうけて耐えています。

それではこのような現状で悲痛な叫びをあげているいくつかの実例を紹介させていただきます。

★ 半年前から治らない首、肩、背中のコリに悩まされている27歳の男性。
  徐々に悪化し、今では朝起きた時から一日中重くていたくて仕事をするのもしんどく、
  休日はあまり何もする気がしません。
  肩や首を回すと「ゴリッ」「バリッ」と嫌な音がします。
  深呼吸をするだけでも首や胸のあたりが「ビキッ」と音がします。
  また、首の左側を2カ月前に寝違えて炒めたのですが、いつまでたっても完全に治らず
  また寝違えて痛めて・・・を繰り返しています。コリとも関連があるような気がしてい
  ます。

★ 肩こり、首こりに悩まされています。

  ずっと肩がモヤモヤし、首が痛いです。
  よく頭痛が起き、たまにですが吐き気や目、耳の痛みも催します。
  現在高校1年なのですが、中3の時に頭痛が酷くなり保健室にもいきました。
  毎日,姿勢に気を付けたり身体をのばしたりほぐしたり。温めたりとしているのですが
  良くなる気配がありません。むしろ悪化していく一方です。
  今テスト期間なのですが、痛すぎて勉強どころじゃないです。
  本当にしんどくて仕方がないです。

★ 肩こりが酷いです。
  23歳、女、一般事務職です。昨年くらいから、肩こりが酷くなってきて、グルグルかたを回
  すとゴキゴキ、ポキポキと毎回音がなります。
  頭痛はないのですが、首筋がピーンと張ったり、寝ている間もたまにいてみで目が覚めます。
  黙っていると肩がどんどん痛くなっていくので、常にかたを回している状態で落ち着いて座っ
  ていられません。
  肩甲骨を頑張って揉みほぐしたり、首をもんだりほぐしているつもりなのですが一向によく
  ならず、悪化するばかりです。
  整体にいったところ、背中がひずんでいると言われました。
  自覚はあったので、なるべく背中を伸ばして生活するように心掛けています。
  整形には今度行ってみようと思います。

★ 酷い肩こり、頭痛について。

 もう1年くらい前からなのですが、左肩、首、肩甲骨が痛くて、頭痛、目の奥の痛み、酷い
 と奥歯まで痛くなり吐き気もします。
 脳外科や眼科、整形外科などいろいろ受診しましたが、特に原因がわからないです。
 毎日ではなく、あれ?最近痛くないかも~と思っているとまた痛くなり・・・
 たまにカイロプラクティックに行ったりしますが、まったく良くなりません。
 二日まえからそれに加えて左腰が痛く。後ろに反ることもできないし仰向けに寝ると痛くて
 こしが浮いてしまいます。
 今日は左胸まで痛くなってきて、呼吸も少し苦しいです。
 これと関係があるかはわからないですが、最近よく立ちくらみもします。
 何科を受診したらよいかわからず我慢し続けているのですが辛い時はかなり辛いです。


2-2.肩こりは他の症状と一緒に現れる


・肩こりは普通、肩こりだけ単独で現れることは珍しく他の部位の痛みと一緒に現れます。

 肩こりと同時に現れる症状には次のようなものがあります。

1)肩こりと同時にあらわれる可能性の高い身体の痛み、筋肉痛

肩こりは筋肉が緊張したことによる筋肉痛の一種ですが、筋肉が緊張する共通の原因があれば体の他の部位にも同様な筋肉痛が同時に起きても不思議ではありません。

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2)肩こりと同時に現れる症状、顎関節症

肩こりと同様に顎関節の周辺の筋肉が緊張すると顎関節症を併発していること珍しくありません。

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3)肩こりと同時に現れる不快な症状、自律神経失調

筋肉が緊張すると周辺の血管や神経が圧迫(絞扼)されるために自律神経の不調が起こりやすく、思いもかけない不快な症状に見舞われることがあります。

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           1)不眠症きみでよく眠らない
           2)体がだるい
           3)疲れやすい
           4)動悸、息切れがある
           5)めまいがすることがある


4)肩こりと同時に現れる可能性の高い精神的な不調


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                   精神的な不調の主なもの
               1)いつもイライラする
               2)急に怒りっぽくなった
               3)物事に集中できない
               4)気分が落ち込む
               5)不安感
               6)うつな気分で人と会いたくない

2-3.噛み合わせが原因の肩こりの根本的な治療は歯科でしかできない


あごの緊張をとることができれば肩こりを解消することができます。

歯科では50年前から顎の筋肉の緊張を緩和する方法についての研究が行なわれてきました。
そして多くの筋肉痛や顎関節症を治してきました。

またその研究と技術はあごの周辺の筋肉を緊張させない義歯を作るために生かされてきました。

そのため一部の歯科医は肩こりを解消する知識と技術を臨床で長年実践してきています。

ある意味で一部の歯科医のグループではこの分野は得意分野の一つなのです。


3.嚙み合わせ治療による肩こり治療の効果

3-1.噛み合わせの治療で肩こりが治った人


ここで実際に肩こりの治療をさせていただいた臨床例を2症例ほど提示させていただきます。

症例1)肩こりと頭痛がひどかったHKさん 29歳女性

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HKさんは(29歳女性)は1年くらい前から頭痛と肩こり、目も奥の痛みがひどくなってきたため、ホームページを見て来院されました。

少し前までは夕方ちかくなってから頭痛がしていたのですが、最近では朝起きたときから頭が重く、痛むようになってきました。
最近とくに体調が悪く、吐き気もするようになってきたので近くの病院で診てもらいましたが、自律神経の異常からくるのではないかと?ということで、頭痛薬をもらいました。しかし薬はあまり好きではないので服用しませんでした。

仕事はパソコン関係でしたので、仕事の疲れがこのような形で出てくるのではないかと考えました。そこで1週間ほど休みをとってパソコンから離れてみたのですが、それほど症状は改善しませんでした。

視力はむかしから1.5で良かったのですが、最近は目がぼやけて焦点が合わなくなるようなこともあります。
幼いころ、硬いものを噛んだときに顎のかどのあたりがひどく痛み、泣き叫んだことがあったそうです。家系的には祖父が下あご(顎)が前に出る反対咬合であったとのことでした。

HKさんは噛み合わせの精密検査の結果、下あご(下顎)の位置が3.1ミリほど後ろにずれていることがわかりました。そこでそれを修正するために、オーソシスをという装置を作って使用してもらうことにしました。

オーソシスを装着してから2週間目に調整のために来院していただきましたが、頭痛がとても楽になったようだとのことでした。その一方でそれまで定期的にきていた生理が10日間ほど遅れたとのことでした。

それから3週間目に3度目に来院された時には、頭痛と目の疲れ大分良くなったが、肩こりはまだあるとのことでした。さらに以前は疲れて目をつぶると、めまいに似た感覚があったのですが、それが無くなったとのことでした。

初診から3カ月後に、4回目の調整のために来院されましたが、「今まで辛かった症状のすべてが無くなって、今はとても楽です」といってくれました。
そこで結果を再確認するために噛み合わせの精密検査をおこなったところ、すべてのデータが良くなっていました。
通院6回、4ヶ月目ですべての症状が無くなったことになります。今後は3カ月ほどこのまま経過を観察させていただく予定です。
HKさんの許可を得て、治療前後のお顔の写真を掲載させていただきます。
治療前に比べて4カ月後には見違えるほど健康的で、はじけるような笑顔を見せてくれました。

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治療前後のHKさんの写真

症例2) 肩こりと頭痛がひどかったMKさん 21歳女性

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頭痛と目の奥の痛み、右側の首・肩・背中の痛みを訴えて来院されました。夜寝るときに頭が圧迫される感じがしてよく眠れず朝起きたときには右の肩と首筋が凝ったように痛むとのことでした。

また、耳鳴りもひどく、耳がふさがったような感じがいつもしているとのことでした。そこで耳鼻科を受診して診てもらったのですが、噛み合わせのせいではないかといわれました。そこで口腔外科を受診してマウスピースを作ってもらったのですが、それから2週間たっても何の変化もありませんでした。

頭痛は3年くらい前からあったのですが、最近はさらに悪化しているようでした。また生理痛もひどく、頭痛と生理痛がかさなるときは鎮痛剤を飲まずにはいられなかったとのことです。


MKさんは2回の精密検査の後、3回目にオーソシスを装着しました。それから3週間目に来院されましたが、耳鳴りは小さくなり、首筋の痛みも軽くなったとのことでした。

また疲れにくくなり、夜もよく眠れるようになって朝起きた時のだるさもなくなったとのことでした。
あごのところで鳴っていたおとも、オーソシスを装着した翌日鳴らなくなりました。肩と首、背中のこりはまだ少し残っているが、頭痛や生理痛のときに飲んでいた薬は飲まなくてもよくなりました。

オーソシスを装着してから2週間目に調整のために来院していただきましたところ、頭痛がとても楽になったようだとのことでした。その一方でそれまでは定期的にきていた生理が10日間も遅れて不順になったとのことでした。

それから3週間目に3回目に来院されたときには、頭痛とめの疲れは大分よくなったが、肩こりはまだあるとのことでした。

さらに以前は疲れて目をつぶると、めまいに似たものを感じていたのですが、それがなくなったとのことでした、

初診から3カ月後の4回目の調整のときに、「今まで辛かった症状のすべてが全くなくなって、今はとても楽です」といってくれました。そこで結果を確認するためにかみ合わせの精密検査をしたところ、すべてのデータが良くなっていました。

通院6回目(4か月半)ですべての症状が無くなったことになります。今後は3カ月ほどこのままで経過観察させていただく予定です。


3-2.肩こり治療の改善率


ここでは肩こりの改善率だけではなく、筋肉症状全体の改善率を示しています。

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肩こりは筋肉の緊張という共通の原因から発生した筋肉全体の症状の中の一部なので、同じ治療で
他の部位の症状も同時に改善します。

上のグラフでは緑色のバーが症状の改善率を示しています。
例えば肩こりの改善率は56%ですが、これは治療によって改善した痛みの量を治療前の痛みの量で割った値です。 肩こりの場合治療前の疼痛指数(青色のバー)が76でしたが治療後に32に下がったためその下落率を次のように計算しています。(76-32)/76=56.6 

筋肉症状のうちで改善率の一番高かったのは顔面痛またはこわばりの症状です。
さらに、目の奥の痛み、筋緊張性頭痛、背中の痛み、腰痛へと続きます。

実際には筋肉の緊張が緩和されることによって、自律神経系系の症状も緩和されます。

もちろん顎関節症も改善することができます。
場合によっては精神的な不調も改善します。

このように筋肉が緊張することによってさまざまな身体の不調が起きていますので、それらの症状は筋肉の緊張を緩和することができれば解消していくのです。


4.肩こりが楽になる噛み合わせの治療法

噛み合わせ治療のながれは以下のようになります。

  ・カウンセリング
  ・噛み合わせの異常と体調不良の関係を調べる
  ・筋肉の緊張の度合いを測る(筋電計)
  ・筋肉が緊張しないあごが楽な位置をさがす(TENSとK7を使用)
  ・そのあごの位置を維持するための装置を作って使用してもらう
  ・症状が改善されたら最終治療に移行する


5.まとめ

噛み合わせが悪いと肩がこる、ということは昔から経験的に知られていました。

しかし噛み合わせと筋肉痛の関係を科学的に追及した歯科医学の研究者はいませんでした。

約50年前に米国の歯科医が低周波TENSという装置を歯科治療に導入したことから歯科における筋肉の研究が始まりました。

彼は引き続き下あごの動きと位置を正確に計測する装置をつくり、歯科用の筋電計も導入したことからこの分野の研究と治療が飛躍的に発展しました。

その結果、筋肉の緊張を和らげるという医学の他の分野では行なわれていなかった治療が可能になりました。

首こり、肩こり、緊張性の頭痛、背中や腰の筋肉痛で苦しんでいる人は非常に多く、国民病ともいわれていますが、これらの疾患は歯科の分野ではあまり取り上げられてこなかった分野ですが、今後はもう少し積極的に歯科からのアプローチを強めていきたいと考えています。


2019年5月8日|カテゴリー「お悩み相談
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噛み合わせを治すためには二つの方法があります。

歯に被せ物(人工物)をして歯の形をかえて噛み合わせを治す方法と、矯正治療で自分の歯を動かして上下の歯が噛み合うように治す方法です。

そのどちらの方法がいいかはそのときの状況によりますが、ここでは矯正治療で歯を動かして噛み合わせを治す方法について説明させていただきます。

矯正治療で歯を動かして噛み合わせを治す場合には歯を削ったりして傷付けないですむという利点がありますが、その代わりに治療期間が長く、煩わしい装置を長く付けていなければならないという欠点があります。

被せ物をして噛み合わせを治す方法の場合には、歯を削らなければならなかったり、被せたものが取れてしまったりする心配がありますが、その代わりに治療期間が短くてすむという利点があります。

ここでは両方の治療法を実際に長年行ってきて多くの不定愁訴を解決してきた噛み合わせ治療の専門医の立場から解説させていただきます。

1.矯正治療の出番は二次治療から

矯正治療は噛み合わせを治すためにはとても有効な手段ですが、はじめから全ての噛み合わせの治療を矯正で行うことはお勧めできません。

矯正治療には得意な分野と不得意な分野があります。

それを知って使い分けないと効率が悪く、そのうえ治療効果が得られなかったという結果で終わってしまう可能性があります。

矯正治療は不揃いな歯をきれいに並べたり、狭い歯列弓を広げたり、歯をのばしたり縮めたりとかダイナミックな歯の移動をするためには大変有効ですが、下あごと上あごの位置関係を微妙に調整て不定愁訴をなくすための治療に使うのはあまり効率的ではありません。

噛み合わせの治療の目的は不定愁訴を解決することですが、不定愁訴は上下のあごの位置関係が悪いために起こってますので、不定愁訴を解決するためには上下のあごの位置関係を微妙に調整しなければなりません。

そのためには上下のあごの間に挟むようにして使うマウスピースのような装置をつかって上下のあごの位置関係を調整します。

マウスピースですと上下のあごの位置関係を自由に調整することができるので不定愁訴を起こさないあごの位置(下顎安静位)をみつけて比較的短時間で不定愁訴を解消することができます。

矯正治療は不定愁訴をおこさないあごの位置が見つかって不定愁訴がある程度解消したあとでそのあごの位置で上下の歯が噛み合うようにする治療のためにつかうと大変有効でよい結果を得るることができます。

2.噛み合わせ治療のながれ

噛み合わせの治療は上下のあごの位置関係を修正して不定愁訴を解消するための治療とそのあとで上下の歯が噛み合うようにするための治療に分けて考えると合理的です。(一次治療と二次治療)

一次治療は不定愁訴を解消するという噛み合わせ治療の目的を達成するために行ないます。二次治療はその状態が維持されるように噛み合わせを治す治療です。

二次治療は一次治療で不定愁訴が解消するあごの位置がみつかったあとでその位置で上下の歯が噛み合うようにする治療なので、不定愁訴が解消される位置(下顎安静位)が見つからなければ行うことはできません。

さもなければ不定愁訴が解消されるかどう分からないのに複雑な噛み合わせ治療に取り組んでしまうということになりかねません。

3.二次治療にはこんな種類がある

不定愁訴を治すために下あごを下顎安静位に導くと臼歯部がかみ合わずに大きく開いてしまうというような場合が少なくありません。

下の図の左側の図は下あごが楽ではない顎のの位置でかんでいて不定愁訴が起こっているかみあわせですが、右の写真は下あごの力をぬいて顎を楽にしている下顎安静位での上下の歯の対向関係示しています。

このように歯を咬み合わせるためにあごが楽ではない位置で無理に噛み合わさせないで力を抜いてあごを楽にするようにすると不定愁訴が楽になることが少なくありません。
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このような下あご位置(下顎安静位)なら不定愁訴がおこならいということは実際にオーソシスを使って確認することができます。実際にこの位置で不定愁訴がなくなれば噛み合わせ治療の第一の目的が達成されたことにます。

次の目標はこの位置で上下の歯が噛み合うようにしてオーソシスを外しても不定愁訴が再発しないようにすることです。

噛み合わせの治療の二次治療ではこのギャップをつめて上下の歯がしっかりと噛み合うようにすることですが、その方法には下の図のように二つの方法があります。

下の図の右上の図はこのギャップを埋めるために上下の歯の上に被せ物(補綴物)をして歯の高さを補って噛み合うようにする方法を示しています。(補綴的咬合再構成治療)

下の図の右下の図は歯の形はそのままで、上下の歯を少しずつ動かして噛み合うようにする方法を示しています。(矯正的咬合再構成治療)
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ここでは歯を少しづつ歯を動かしてしっかりとした噛み合わえをつくる「矯正的咬合再構成治療」についてもう少し詳しく説明させていただきます。

4.矯正治療で治した方が絶対にいい場合とは?

ここでは矯正的咬合再構成治療を選択する方が良い場合、あるいはそれしか他に方法がない場合について解説させていただきます。

それは大きく分けると次のようなな場合になります。

1.上下の臼歯部に開き(ギャップ)が大きすぎる場合

2.上下の歯列弓の拡大が必要な場合

3.歯並び乱れすぎている場合(歯の叢生)

4.前歯部のオープンバイト(開咬)

5.歯の捻転、傾斜がきつい場合

6.咬合平面のみだれが大きい場合

以上のそれぞれの場合について説明させていただきます。
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この図のように臼歯部の歯が短くて上下の歯の間に大きなギャップがある場合には、上下の歯に被せ物(補綴物)を被せて噛み合うようにするとそれぞれの歯だけが長くなり不自然な形の歯になってしまいます。

また穂の形態的にも歯冠と歯根の比率である歯冠歯根長比率がくるうので力学的のも望ましくありません。

結果的には生理的な口腔にはならずに発音障害などが起こることがあります。

また歯をたくさん削らなければならなかったりすて穂の寿命を著しく縮めることにもなります。

このような場合にはそれぞれの歯を少しづつ矯正治療で動かして噛み合うように治療したほうが奇麗で生理的に仕上げることができます。

その方がそれまでの歯を自然な形態のま使うことができますので発音がしにくくなったりすることもありません。

また歯だけが伸びて長くなるのではなく周囲の歯槽骨も一種に延びてくるので全体的に生理的な形態の仕上がりになります。
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この図のように歯列弓(アーチ)がせまくなってV字型をしている場合にはアーチを広げる治療が必要な場合があります。

そのような場合には矯正治療でアーチを広げてU字型にすることができます。

補綴治療ではアーチを広げることはできません。出来たとしても歯根と弛緩の形態がねじれたような形になり、歯の清掃性も悪くなる恐れがあります。

矯正治療でアーチを広げると不揃いな歯並びも同時にきれいに整えることができます。

その方が健康な噛み合わせをつくることができて、見た目も良くよく噛めるかみわせを構成することができます。
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この図のように歯並びが乱れている場合には健全な上下の噛み合わせを構成することはできません。

このような乱杭歯をきれいに歯並びにする方法は矯正治療しかありません。

このような歯並びでは見た目が悪いだけではなく、歯の衛生状態を清潔に保つことも難しいので歯の寿命にも影響します。

もちろんこのような歯並びを補綴治療で治すことは出来ません。
出来たとしても見た目も衛生面でも良い歯並びにすののは容易ではありません。
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このように奥歯だけが噛み合っていて前歯がかみ合わずに開いた状態のままになる噛み合わせを
開口(オープンバイト)といいます。

こういう咬合は矯正治療でしか治せません。

これを無理に補綴治療で治そうとすれば不自然な歯並びになり、すごく見苦しい外観になります。

矯正治療で治す場合、一年半から二年位の治療期間が必要です。
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これは上の前歯が内側に傾斜して下の前歯に被さるように噛み合っている歯並びです。

下の前歯がよく見えないようになっている場合もあります。

別名で過蓋咬合(かがいこうごう)とも呼ばれている噛み合わせで臼歯部が低くなている場合もあります。

このような場合も矯正治療で治すのがベストです。

無理に補綴治療で治そうとすると、歯の神経をとって不自然は形の継ぎ歯(継続歯)などになりますが、歯の寿命は著しくみじかくなります。

このような歯並びの方にはいわゆる「噛み合わせ症候群」といわれるよな体調不良で苦しんでいるかたが少なくありません。臼歯部が低く下顎が後退していることが多いからです。
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これは下の歯列を横から見たところですが、歯並びの中央のところが低くへこんでいて揃っていません。

そのため歯並びの噛む面を連ねた面(咬合平面)が連続したきれいな面になっていません。

そのために対合する上顎の歯列との噛み合わせがうまくいかずに不定愁訴の原因となります。
円滑な咀嚼運動を営むことが出来ませんので、きれいな面に整えなくてはなりません。

軽度な場合には補綴治療でもある程度改善することはできますが、限界があります。

この図のような場合には下の前歯が内側に傾いていますのでそれも同時に治すということになると矯正治療で治したほうがよいことになります。

5.矯正治療で治した実際の例を紹介

一次治療で不定愁訴を解消したあとで実際に二次治療で矯正的な手段により咬合を再構成した症例を紹介します。

患者さんは当時45歳の女性で数件の噛み合わせ専門医でスプリント治療をうけていたのですが、きちんと噛めないことと月に8回薬を飲むほどの頭痛、肩こり、首、背中の痛みを訴えて来院されました。
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上の写真は初診時の症状を示しています。

健康調査表を記入していただいたところ、上記の症状のほかに、目の疲れ、不眠、寝起きの悪さ、動悸、疲れやすさなどの症状を訴えておられました。

噛み合わせに関する病歴としては20年ほど前から顎関節症の治療を受けておられたとのことです。

噛み合わせ専門医のところで受けているスプリント治療自体にあまり納得がいかず、調整中に痛みが出たこともあったので転医して来院されました。

まず診断の段階で下顎安静位をさがしました。

そしてその後の位置(下顎安静位)で石膏模型を咬合器に付着してみました。それが下の写真です。顎の力を抜くと奥歯が噛み合わないのがのが分かります。
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このように筋肉の力を抜いて緊張していないこの楽な状態が保たれていれば不定愁訴はおこりません。普段はすべての歯が噛み合うように噛んでいますが、そうすると途端に不快感とともに不定愁訴がはじまります。

実際に噛み締める度に不快感を感じることになるので歯を咬み合わせないで口を軽く開けていたほうが楽なのです。

そこで下顎安静位が保たれるようにするための装置(オーソシス)つくって装着してもらいました。
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上の写真は下顎安静位をたもつためのオーソシスを下の歯に装着しているところを示しています。

透明な樹脂で作られているので見えにくいかもしれませんが下顎安静位に下顎を保持しているところを見ていただけると思います。

オーソシスにはこの写真のように取り外しができる可撤式のものと歯の上に接着してしまう固定式のものがあります。

オーソシス装着後の症状の変化

オーソシス装着後19日目の症状の変化

頭痛はまだあるが身体が軽くなった
以前より良く眠れるようになった
背中は良くなったが腰痛が強くなった
全体的には良くなっている
顎関節の左の方がガックンとなった
下顎を後ろに引いてしまう癖がまだある

オーソシス装着後一カ月半後の症状

頭痛はまだある
背中の痛みは気にならなくなってきた
眠りは以前よりさらに改善された

オーソーシス装着して体調がほぼ改善されたので一次治療を終了して二次治療をすることにしました
二次治療は下顎安静が見つかってその下あごの位置でオーソシスをつくり不定愁訴を解消することができることが確認されたあとで行います。

二次治療の目的は下顎安静位で上下の歯が噛み合うようにすることです。

そのためには歯に被せ物ををして歯を高くして噛み合うようにする方法と、矯正治療で歯を動かして噛みあうようにする方法があります。

この患者さんの場合には矯正治療で上下の歯が噛み合うようにするすることにしました。

矯正治療開始
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矯正治療は下顎安静位を見失わないようにするためと症状の再発を防止するために下のあごにオーソシスを装着したままの状態で上顎から治療を開始しました。

約一年後、上下の歯列も整ってきて顎位も安定してきました。奥歯が噛み合ってきています。
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さらに一年後上下の噛み合わせはさらに安定してきますた。もちろん不定愁訴は再発していません。
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それからさらに一年後に装置を外して矯正治療を終了しました。
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治療期間はかなり長くなってしまいましたが下顎安静位で上下の歯が同時に噛み合うようにするという目的は達成することができました。
もっと治療期間を短縮することが今後の課題です。

まとめ

噛み合わせ治療の最終段階の治療は不定愁訴が起こらない下顎安静位を探して上下の歯が噛み合うようにすることです。

そのためにはあらゆる面で補綴治療より矯正治療を用いることのほうが優れていることは明らかです。

しかし技術的に未開拓な分野でもでもあるので治療期間が長くかかり、習熟している臨床家がすくないという問題点があることは残念なことです。