噛み合わせ症候群の治療

 噛み合わせ症候群の治療

噛み合わせ症候群の治療

噛み合せ症候群の治療の目的は、楽な顎の位置で上下の歯が噛み合うようにすることです。
「楽な顎の位置」とは、顎関節も筋肉も生理的に安静状態にあるときの顎の位置のことです。この位置のことを専門用語では
「生理的下顎安静位」いいます。噛み合せ症候群は、この生理的下顎安静位で上下の歯が噛み合わずに、噛むたびに顎がそこ
からずらされることから起こる病気です。
そのため治療の第一歩は、上下の歯が噛み合うときに顎がずらされずに生理的下顎安静位にとどまるようにすることです。そのために、「オーソシス」という樹脂製の器具を下の歯の上にに装着して使っていただきます。オーソシスを装着することで下顎は常に下顎安静位に保たれて、顎関節や筋肉を護ります。またすでに破壊されて障害をうけている組織を安静に保って回復するのを助けます。
噛み合わせ症候群の治療
上の写真は、「オーソシス」とそれを装着したところを示しています。オーソシスは、上の写真のように下の歯に被せるように
して使用します。基本的には夜間就寝時に使用していただきますが、できるだけ長時間使用していただく方が効果があります。
噛み合わせ症候群の治療
このようにして安静状態を保つことで、破壊されて関節や緊張した筋肉が修復されていき、正常な状態に戻すことがで出来ます。
それに伴って、症状が緩和されていきます。症状が緩和されて、快方に向かったことが確認された段階でこの治療法の正しさが
証明されますが、ここまでをこの治療法の一段階と考えています。
効果は早ければ2週間で現れることもあります。治療期間は長くても3カ月以内に終わります。

しかし問題はその後です。オーソシスを使用していると顎の位置が修正されて症状は快方に向かうのですが、オーソシスを外すと元の位置に戻りますので、症状が再発します。

外しても再発しないようにするためには、オーソシスを使わなくても下顎安静位の顎が維持されるようにしなければなりません。そのためには現在ある元の歯の噛み合わせを変更して、オーソシスを使わなくても下顎安静位が保てるようにしなければなりません。

この段階の治療が終了した段階ではじめて、噛み合わせ症候群の治療は終わったことになります。

 

一次治療と二次治療
オーソシスを使って、辛い症状がとれるまでの治療を一次治療としています。二次治療は一次治療で効果が確認された顎の位置をご自分の歯で維持できるように、元の歯の状態を変更する治療のことです。

一次治療はオーソシスを使って正しいあごの位置をテストしながら症状が緩和する位置を求める治療です。そして完全に症状が緩和したことが確認された段階で、そのときの顎の位置は健康を維持するために大切な位置であることがわかります。

このような試行錯誤の段階を経たうえではじめて、どのように元の歯を治療すればよいかを決定することができます。そうすることで無駄な治療をしないで済ませることができます。

二次治療でおこなわれる治療は顎の位置関係を作り直す治療なので、「咬合再構成治療」といいます。

これには次のような方法があります。
1)補綴的咬合再構成
2)矯正的咬合再構成
3)外科的咬合再構成


1)補綴的咬合再構成

元の歯に詰め物や被せ物をして歯の形を変更し、顎の位置を下顎安静位に変更する方法です。

2)矯正的咬合再構成

歯を削ったり被せたりしないで、歯を移動させてあごの位置を変更する方法です。

噛み合わせ症候群の治療

3)外科的咬合再構成
外科的咬合再構成は、歯の移動や形態の変更では咬合を再構成(顎位の一致)出来ない場合におこなわれます。顎骨を切断してずれを修正します。当院ではまだ経験していません。

 

まとめ

噛み合わせ症候群の治療は下のあごの安静を保つようにすることで達成されます。そのためには下顎安静位の位置を正確に測定
してその位置が正確に保たれるようにマウスピースの一種であるオーソシスを作る必要があります。

そのためには下顎の位置を正確に測定するための専用の装置と測定する技術が重要になります。

さらにオーソシスを装着した後は正確に下顎安静位の下顎が誘導されているかを検証しながら修正していく技術も重要です。

そのような技術を習得するためには長年の研鑽と臨床経験が不可欠です。