悪い噛み合わせが原因で起こる33の身体の異常・原因と解決法を徹底解説

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こんにちは。パシフィック歯科医院の院長の安部井寿彦(あべいとしひこ)です。私はよく原因不明のからだの異常で苦しんでいる人からの悩みを多くいただきます。


そのような人はご自分の噛み合わせとの悪さとの関係を疑ってみる必要があります。噛み合わあせが悪いために起こる身体の異常は33種類もあり、それらは筋肉の緊張が原因でおこっていると考えられます。

筋肉の緊張を解くことでほとんどの異常な症状は消失しするため、今回は原因と解決法を徹底的に解説していきます。

1.噛み合わせと関係の深い33のからだの異常とは

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                    1.噛み合わせがしっくりしない

                2.自分の噛みたいところで噛めない

                3.どこで噛んでよいか分からない

                4.噛んだ後であごが疲れる
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                   1.何もしなくてもいつもあごが痛い

                2.あごが痛むので堅いものは噛めない

                3.口を大きく開けることが出来ない

                4.口を開けたり閉じたりする度に音がする

                5.口が曲がって開く
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                1.しつこい肩こりや首筋の痛みで悩んでいる

              2.頭の周辺が締め付けられるような緊張性の頭痛で悩んでいる

              3.背中や腰が痛む

              4.側頭部(こめかみ)のあたりが痛い

              5.目の奥が痛む

              6.顔面がこわばるように痛む

              7.手足がしびれる

              8.耳が詰まったような感じがする
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               1.不眠症ぎみでよく眠れない

            2.日中眠くてだるい

            3.常に倦怠感がある

             4.疲れやすい

            5.動悸がある

            6.息切れがする

            7.めまいがすることがある

            8.便秘がちである

            9.生理不順である

           10.・生理痛で悩んでいる
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                               1.いつもイライラしている      

              2.急に怒りっぽくなった

              3.物事に集中できない

              4.意欲がわかない

              5.気分が落ち込む

              6.うつ状態で人と会いたくない

              7.不安感

2.噛み合わせが悪いとなぜこのようなからだの異常がおこるのか

33 種類の多種多様な症状はある一つの共通のからだの変調で起こっています。そのからだの変調とは全身の筋肉の緊張です。それは不正な噛み合わせからもたらされます。

肩こりや首筋の痛み、筋緊張性の頭痛が筋肉の緊張からおこっていることは明白ですが、その他にも筋肉の緊張によってもたらされるものには顎関節症などがあります。さらに筋肉が緊張することによって神経や血管が圧迫されることから自律神経系の異常も引きおこされます。

その結果として不眠や倦怠感、動悸、息切れ、便秘や生理不順などの思ってもみなかった症状があらわれます。体調の悪さが長時間続くと精神的な変調をきたしそれは一種の気分障害として現れることがあります。
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筋肉の緊張がこのように多くの不快な症状の共通の原因であるということは意外に思われるかもしれません。このことは筋肉の緊張を解くことでこれらの症状のほとんどすべてが同時に緩解されるという事実からも臨床的に確かめられています。

このような事実がいまだに一般に知られていないのはからだの筋肉の緊張を解く方法が知られていなかったからです。

肩こりや首筋の痛みなどは明らかに筋肉の緊張からおこっていますが、現代医学にはこのような筋肉の緊張を緩解する方法がありませんでした。そのため多くの人は、整体や鍼灸、カイロなどの代替医学療法に頼らざるを得ないのです。
筋肉の緊張を解く方法は医科に先駆けて歯科が実用化しました。約50年前にある天才的な歯科医がその糸口を見つけたのです。噛み合わせと長年かかわってきた歯科医だからこそ思いつくことができた発見であったということができます。
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                     バーナード・ジャンケルソンDMD

歯科では患者さんに満足していただける義歯を作るためには、ものを噛む筋肉である咀嚼筋が快適な状態を保つ必要があります。不適合な義歯を入れたために咀嚼筋が緊張するようでは困ります。

義歯を入れたために咀嚼筋が緊張しないようにするための研究が進みその中から筋肉を緊張させない方法が見つかりました。

咀嚼筋が緊張しないようにすると咀嚼筋だけでなくそれと密接にかかわり合っている肩や首筋の筋肉も緊張しなくなります。逆に肩や首筋の筋肉が緊張して困っている人の筋肉の緊張は、咀嚼筋の緊張を和らげることで和らげることが出来ます。

このように筋肉の緊張を和らげる方法が実用化されたことで、しつこい肩こりや首筋の痛み、緊張性の頭痛などの筋肉の痛みを根本的になおかつ再発しないように治療することが出来るようになりました。

国民病ともいわれる肩こりや頭痛、背中や腰の痛み、顎関節症、自律神経失調症などの筋肉の緊張からおこる不定愁訴は歯科医が噛み合わせを治すことで解決することができるということは意外に思われるかもしれませんが事実です。しかしあまり知られていないのは残念です。
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全身の筋肉はお互いに連携しあって一つのネットワークを形成していますので、あごの筋肉の緊張がゆるめば近接している全身の筋肉の緊張もゆるんでからだの痛みなくなり身体全体も楽になっていきます。

あごの筋肉を緊張させる最大の原因は不適切な噛み合わせです。

3.なぜ噛み合わせが悪いとあごの筋肉が緊張するのか

筋肉は精神的に緊張しても緊張することはよく知られています。ストレスを感じると緊張することも知られています。そのため筋肉が緊張して肩や首筋が痛んだり頭痛がしたりしたときに精神的にリラックスすれば少しは楽になります。しかしそれだけでは筋肉の緊張を完全になくすことはできません。

しかし基本的には筋肉が緊張してからだが痛くなるのは身体の姿勢が悪いときです。姿勢が悪いということはからだを形作っている骨格と骨格との間の相互的な位置関係が狂っていることを意味します。

骨格と骨格の相互的な位置関係が生理的ではない状態が長く続くと、その間にあってそれそれぞれの骨格を動かす役目をしている筋肉が正常な機能を果たせなくなります。無理な状態を強いられることになり緊張して機能不全に陥るのです。

骨格間の位置関係が悪いと筋肉は緊張して循環障害に陥ります。循環障害がおこると新陳代謝が順調に行われなくなります。そうすると筋肉への酸素や栄養の補給が滞り、老廃物の排出できなくなります。その結果不快感と老廃物がたまったことにより疼痛を感じるようになります。これは筋骨格系機能障害といわれているものですが基本的には筋肉の病気です。

寝違えたりしたときに肩や首の凝りや痛みを経験することがありますが、それも就寝中に無理な姿勢を続けた結果として筋肉に無理な状態を強いたためにおこります。それは頸部と躯体という2つの骨格間の相互的な位置関係が不自然な状態を長く続けた結果です。そのような場合には姿勢を正して安静にすれば自然に回復します。

しかし噛み合わせが悪いためにおきたあごの筋肉の緊張は噛み合わせを治さない限り緩解することはありません。

なぜ悪い噛みあわせがあごの筋肉を緊張させるかということですが、それは悪い噛み合わせが下のあごの理想的な位置をずらしてしまうからです。

下あごはものを噛む時に下の歯を上の歯に押し付けるようにして食物を咀嚼します。上の歯は頭蓋骨の一番下に位置していて頭蓋という骨格の一部です。一方下の歯は下のあごの上に並んでいて、下顎骨という別の骨格です。

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ものを噛むときには下の歯を上の歯に押し付けるようにして咀嚼している

ものを噛むということはこの二つの骨格の間で営まれる行為ですが、この二つの骨格の間の位置関係が正しくないとその間で働いている筋肉が緊張します。

骨格と骨格の間にあって骨格を動かしている筋肉は骨格同士の位置関係がよくないと正常な機能を営むことが出来ないだけではなく筋肉には異常なストレスが働いて緊張します。

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あごの筋肉を緊張させないようにするためには下あごと頭部との相互的な位置関係が重要


ものを噛むためにあごを動かしている筋肉(咀嚼筋)は頭部(頭蓋)という骨格と下あごという骨格(下顎)の間の相互的な位置関係(下顎位といいます)がよくない場合に緊張します。ごく限られた範囲内で筋肉が緊張しないで正常な機能を営むことができる位置関係が存在します。その時の下顎の位置を下顎安静位とよんでいます。

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左の図はあごの力を抜いて安静にしている状態(下顎安静位)状態ですが、歯を嚙合わせると右の奥歯が低いために右の図のように下あごが矢印の方向に捻られるように傾きます。この状態では筋肉も捻られてストレスをうけるようになり緊張します。

筋肉が緊張しないあごの位置は下顎安静位と呼ばれていますが、その位置関係の範囲内で咀嚼運動が営まれていればあごの筋肉は緊張しません。悪い噛み合わせはこの関係を崩してしまうので筋肉が緊張して不快感を感じるようになります。

歯を噛み合わせないで口をぽかんと開いている時は、咀嚼筋は緊張しないで安静な状態を保っていますが(下の左の図)、いったん上下の歯が咬み合ったときに歯の噛み合わせが悪い(左右で高さが違う)場合には下顎骨と上顎骨(頭蓋)との位置関係が狂います(位置関係が歪む)。そうするとその間で働く咀嚼筋は緊張します。その緊張は咀嚼筋と密接に関連している周辺の肩や首筋の筋肉に伝搬して肩こりや首筋の痛みとして全身に広がっていきます。

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左の図は上顎骨(頭蓋の一部)と下顎骨の位置関係が正常な場合の筋肉の状態ですが、右の図は片方の歯が短いために二つの骨格の関係がくずれている状態を示しています。結果的に左右の筋肉が生理的な長さがを保ことができなくなるために緊張します。この場合、左右の歯の長さが違うということがよくない噛み合わせということになります。

良い噛み合わせとは決して歯並びの良い噛み合わせというわけではありません。安静な下顎の位置である下顎安静位が保たれているかぎりその噛み合わせが良い噛み合わせです。悪い歯並びでいくら醜くても下顎安静位が保たれていれば良い噛み合わせです。

良い噛み合わせと悪い噛み合わせの違いを理解していただくために、悪い噛み合わせから良い噛み合わせに改善して不定愁訴をすべて解決した症例を見ていただきたいと思います。

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この写真は、頭痛や背中の痛み、目の奥の痛み。不眠,倦怠感などを訴えて来院された患者さんの初診時の口腔内の写真です。

一見すると左側の奥歯がよく噛んでいないようですが、これだけで主訴にあるような症状がなぜ起こっているかを判断することはできません。

一般の歯科診療の現場で行われているように上下の歯が噛み合わってるところを漠然と観察したり咬合紙を使って噛み合わせの高さをチェックしてもこのかみあわせが良いか悪いかは判断することは絶対にできません。

なせなら目の前にある噛み合わせが、あごを動かす筋肉が顎を楽に動かして上下の歯を噛み合わさせているのか、悲鳴をあげながら噛み合わさせているのかを判断することができないからです。

つまり上下の歯が噛み合っている時に咀嚼筋が安静状態を保っているのか緊張状態であるのかを判断する必要があります。

良い噛み合わせは上下の歯が噛み合った状態でも筋肉の安静が保たれますが、悪い噛み合わせでは歯を噛み合わせる度に筋肉が緊張します。

それを調べるために上下の歯の型を採って石膏の模型をつくり、下顎を安静位に導いて下顎安静位で上下の歯のかみ合わせの状態を見てみます。

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それがこの上の写真です。普段患者さんが習慣的に噛んでおられる習慣性の噛み合わせ(初診時)とはだいぶ違います。下のあごが大分前方に出てきて奥歯は咬みあわずに大きく開いています。

かなり異常な噛み合わせに見えますが、実はこれが患者さんにとっては最も楽なあごの位置(安静位)なのです。

もしこのあごの位置(安静位)で上下の歯が噛み合っていれば何の問題も起こらなかったはずです。

そこで治療目標はこのあごの位置(安静位)で上下の歯が噛み合うようにすることです。しかしいきなりそのようなことは出来ませんので、一時的にこのあごの位置を維持することができるマウスピース(オーソシス)を作ってしばらく使っていただきました。

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これがそのオーソシスを着用している写真です。オーソシスは透明な樹脂でつくられているために
少し見にくいかもしれません。

オーソシスを着用していただくことで下顎の安静な位置が保たれて下顎の筋肉は緊張しないで安静を保つことができます。

オーソシスはいきなり歯を触らないで、この顎位で患者さんの反応を見るために使用します。下顎は安静位に誘導されますので、下顎を支えている咀嚼筋や顎関節は緊張せずに楽になるはずです。

目論見とおりに患者さんが楽になることが確かめられたら、この下顎の位置で上下の歯が噛み合うように治療をします。

この患者さんの場合には上下の歯には詰め物や被せたりしている歯がないので、被せもをするために歯を削ったりして傷つけたくないので、多少時間がかかって大変ですも矯正治療で歯を動かして上下の歯が噛み合うようにしました。

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矯正治療終了後の噛み合わせの写真です。下顎の位置は安静位に保たれていて、

その位置で上下の歯は噛み合ってこの時点ですべての不定愁訴は再発していません。

4.噛み合わせの治療はどのようにおこなわれるか

さまざまな不快な症状は筋肉が緊張することで引き起これていることは間違いありませんので、これらの症状が起こらないようにするためには筋肉の緊張を和らげる必要があります。

筋肉の緊張を緩和する治療は現代医学ではほとんど試みられてきませんでした。

筋肉の緊張を和らげ方法は1964年に、シアトルの歯科医師がTENSという装置を使うことによって
下あごの周りの筋肉の緊張を和らげることが可能であることを発見したことから実用化されました。

TENSとは経皮的抹消神経電気刺激(Transcutanious Electrical Nerve Simulation) のことで古くからおこなわれてきた電気療法の一種です。古くは起源45年にシビレエイからの電気放電を利用して疼痛のコントロールのために使われたという記録もあるといわれています。

歯科では低周波のTENSとして使われ、咀嚼筋の緊張緩和と下顎安静位を決定するために使われています。

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電極は両耳の前方と後頚部に貼って、低周波の電気刺激を送って三叉神経と顔面神経を刺激します。

そうすると二つの神経の支配下にある咀嚼筋や顔面の筋肉が刺激によって収縮と弛緩を繰り返します。

収縮と弛緩を繰り返すことによって筋肉の血液循環を回復して新陳代謝をうながすことにより、緊張が取れていきます。筋肉が緊張して肩が凝ったような時に外部から力を加えて揉みほぐすようなマッサージ効果があり、一時的に痛みが和らぎます。理学療法の一種としての電気マッサージ治療が行われたことになります。

低周波電気刺激装置(マイオモニター)による電気マッサージは上下の歯を接触させない様にして約一時間おこないます。上下の歯を咬み合わさせないようにするのは、悪い噛み合わせからの影響遮断して咀嚼筋と顔面の筋肉が緊張しないようにするためです。

上下の歯を咬み合わせないようにして、筋肉の収縮と弛緩をくりかえすと下あごを支えている筋肉の緊張が解けて安静な状態になります。その時のあごの位置を下顎安静位とよんでいますが、この下あごの位置が診断と治療のための基準となります。

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            習慣性咬合位               下顎安静位

上の写真は同じ患者さんのマイオモニターを使った前と後の写真です。左の写真は悪い噛み合わせで無理に歯を嚙合わせたところですが、右の写真は顎の力を抜いてマイオモニターで筋肉の緊張をとった後の楽なあごの位置関係を示しています。

左の写真ではとりあえず歯が噛み合っているので問題がなさそうに見えますが、実際には歯を噛み合わせるために筋肉は無理を強いられています。顎は右の写真のような状態のときに最もリラックスして楽なのですが、歯を噛み合わせなければならないために、左の写真のような位置に移動しなければなりません。そのため咀嚼筋は無理をした結果として緊張しています。

食事のたびにこのような噛み合わせを続けなければならないとすると、肩や首筋の筋肉が痛み、顎関節症やその他のさまざまな不快症状で苦しめられることになります。

一方右の写真では歯は噛みあっていませんが、筋肉は安静で緊張していな状態を保っていますので筋肉んp緊張は起こりません。

この患者さんは小臼歯を4本抜歯して矯正治療をうけた結果こうなりました。矯正治療自体が悪いというわけではありませんが、このような結果になる可能性が非常に高いので注意が必要な治療です。

下顎の筋肉を安静な状態に保ためには、下あごの安静な状態を保つことから始めます。

そのためには上下の歯の間にできたギャップを埋めて下あごがこの状態を保つことが出来るように支えるようにします。

最終的にはオーソシスを使わずにこのあごの位置関係を維持した状態で上下の歯が噛み合うようにしなければならないのですが、そのためには上下の歯の長さを少しずつ長くして噛み合うようにすることになります。

そのやりかたには2種類あり、歯の被せ物をしたりすることで歯の長さを長くする方法と矯正治療で歯を伸ばして噛み合うようにする方法があります。

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この二つの方法のうちどれを選ぶかはその時の状況によって選択して決めます。

いずれの方法にしろ噛み合わせを下顎安静位が保たれるように咬合を再構築する治療ですから簡単ではありません。しかし矯正治療の失敗などで咬合を破壊されてしまった場合にはほかに選択肢はありません。

しかし咬合を再構成する治療は最終的な手段であっていきなりこのような手段を採用することは適切ではありません。

その前にしなければならないことがあります。それはマイオモニターを使うことによって導き出された下顎安静位が正しいかどうかを確かめることです。

そのためにには下顎安静位でマウスピース(オーソシス)を作って使用してもらい、その顎位を維持することですべての症状が消失するかどうかを確かめます。

もしこの段階ですべての症状が消失すればとりあえず日常生活の苦痛が軽減されるので楽になります。

この段階までの治療を初期治療(一次治療)とよんで、最終的な咬合再構成の治療と区別しています。

一次治療は噛み合わせ治療の予行演習のような意味合があり、下顎の位置を一時的に変更して治療効果を確かめます。

噛み合わせ治療は最終的には噛み合わせを治すために多数の歯に被せ物をしたり、矯正治療で歯の位置を動かしたりします。それらの治療はいったん始めたら後戻りすることが出来ない不可逆的な治療であり、侵襲度の高い治療です。

そのような犠牲を伴うよな治療を行なった結果、症状が改善しなかったというよな恐ろしいリスクを犯すわけにはいきません。

そのために出来るだけ歯には手を付けずに、いつでも元に戻ることが出来る状態で治療効果を確かめるための治療をします。それが一次治療の目的であり、噛み合わせ治療を二段階に分けて行う理由です。

第一段階の治療(First phaise treatment ) は歯には触らないで取り外し式のマウスピース(オーソシス)を使ってもらって行います。
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          可撤式のオーソシス   口腔内に装着したところ   歯の短さ補って下顎の安静位を支える


取り外し式のため微妙な調整をすることができます。そうやって患者さんの様子を観察しながら症状が消退するのを待ちます。通常3~6カ月で結果が出ます。

それ以後は患者さんの都合を伺いながら2次治療をおこなうタイミングを待ちます。様子を見ながら都合が合わないようであれば初期治療を継続することもできます。

ただオーソシスでは食事はしにくいのであまり長くなるのは問題かもしれません。

またオーソシスは樹脂製なので破損することも考えられます。

下顎安静位は咀嚼筋が安静な状態の時の下顎位ですが、そのためには咀嚼筋の緊張状態を計測して安静状態であるということが確かめられなければなりません。筋肉の緊張緩和をめざす治療としては必須のことです。

そのためには筋肉の緊張状態を測ることができる筋電計を使います。また初診時にも筋肉がどの位緊張しているかを知る必要があります。

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これは表面電極筋電計を使用しているところで、この筋電計では安静時の筋肉の緊張の度合いと噛み締めなどの機能時の筋肉の機能などを調べることができます。

噛み合わせの治療ではできるだけ科学的なデータのもとづいて合理的な治療をすることで皆様の苦痛を速やかになおかつ再発することなく取り除くことができます。

下顎を動かいている咀嚼筋が緊張するかどうかは下顎と頭蓋との相互的な位置関係が大きく影響していることは疑いようのない事実です。そのため下顎安静位を維持するためには下顎の位置を正確に測定して把握しておく必要があります。

下顎の微妙な位置の変化は肉眼では把握できません。そのために専用に設計された計測装置を使用することになります。

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上の写真は顎運動追跡記録装置(k7)というものですが、下顎の微妙な位置の変化を追跡して図示することができます。

この装置が開発されたことによって下顎の位置関係を詳細に観察することが出来るようになり、噛み合わせの診断と治療は飛躍的に進歩しました。

まとめ

・原因不明の辛い症状で苦しみ、あらゆる医療機関で相談しても異常がないということで解決してもらえなかったという経験をお持ちのかたは少なくないはずです。

・それらの方々は出口の見えない苦しみで長年苦しんでこられたあげく諦めに近い思いで絶望的になっておられるのではないでしょうか。

・しかし絶望的になって諦めてしまわれる必要はありません。確実に解決する手段があるからです。

・これらの体調不良の原因は過度な筋肉の緊張であると考えて治療をすると、ほとんどすべての症
 状は筋肉の緊張を緩和することで解消します。それは長年の臨床経験から実証されています。

・筋肉の緊張を和らげる治療はTENSという装置を使って咀嚼筋の緊張を和らげることに成功
 したことで可能になりました。

・筋肉の緊張を緩和すると、肩こりや首筋の痛みといった筋肉の痛みだけでなく自律神経系や精神
 的な不調まで解消します。

・全身の筋肉の緊張はあごの筋肉から始まります。あごの筋肉の緊張は悪い噛み合わせによって
 下あごを支える咀嚼筋が緊張を強いられるために起こります。

・咀嚼筋が楽に機能できる顎の位置を生理的下顎安静位といいますが、悪い噛み合わせとはこの下顎の
 安静をみだすためにあごの筋肉を緊張させます。

・噛み合わせ治療の目的は下顎安静位で上下の歯が噛めるようにすることです。

・噛み合わせの治療は2段階で行われます。

・最初の段階ではTENSをつかって下顎安静位を探し、その位置で作ったオーソシスをつかって
 効果を確かめます。

・オーソシスをしばらく使ってもらい全ての症状がなくなるようであれば、下顎安静位が正しい
 ことが確かめられます。その段階で2段階目の治療に移ります。

・2段階目の治療では確かめられた下顎安静位で上下の歯が噛み合うようにします。

・その間、全ての過程で筋肉の緊張の度合いと機能を筋電計(EMG)を使って調べながら治療し
 ます。

・下顎安静位は下顎運動追跡記録装置(K7)を使用して下顎の顎位を確認しながら治療を進め
 ます。

・このようにり科学的な手法をできるだけ駆使しながら治療を進めていくことで安全で確実な治療
 を行うことが可能になります。

・噛み合わせの治療は術者の思い付き、勘や思い入れ、などで治療できる時代ではありません。

・肉眼では確認できる範囲は限られているので、細かな変化はそれなりにテクノロジーの支援を
 受けなければなりません。

・科学的なデータにもとづいた治療が不可欠で進歩をもたらします。

・出口の見えない苦痛にたえて希望を失いかけている患者さんはこのブログを読んでいいただいて
 明るい希望を見出していただきたいと思います。

・そうであればこの長いブログを読んでいただいたはことが無駄になります。そうでないことを
 祈ります。

・今後できるだけ多くの患者さんが苦痛の無い平穏な日常生活を取り戻していただけることを心
 から願っております。