歯の悪い噛み合わせを治す方法。あなたの症状は矯正治療で治せる?

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悪い噛み合わせを治す方法。あなたの症状は矯正で治せる?

噛み合わせが悪いために起こる不定愁訴の症状を矯正治療で治せるかというご質問には、矯正治療は不定愁訴そのものを解消する手段としてはあまり有効ではないとお答えすることにしています。

しかし悪い噛み合わせを治療するためには非常に有効な手段ですので上手に使い分けることが大切です。

その理由は不定愁訴は下あごの位置がずらされて異常になることでおこりますが、そのあごの位置を修正する手段として矯正治療はあまり効率的ではなくもっと他によい手段があるからです。

矯正治療で不定愁訴は解消しようとすると、治療期間がいたずらに長くかかり不定愁訴はなくならずに歯並びだけが改善して終了という結果におわることがあります。

悪い噛み合わせを治すということは悪い歯並びを治すことではありません。不定愁訴をなくすことです。

不定愁訴をなくす手段としては下あごの位置のズレをマウスピース(オーソシス)を使用して修正するほうがはるかに効率的で確実な結果を得ることが出来ます。

通常不定愁訴は2~3カ月で解消すことができます。

矯正治療は不定愁訴がなくなったあとにそれぞれ個々の歯の位置を整えて上下の歯がしっかりと噛みあうようにする手段として用いると効果を発揮します。

不定愁訴の治療方法については歯科界にも大きな誤解があるようですので、豊富な臨床経験をもとずいて詳しく解説させていただきます。

1.矯正治療を上手につかって噛み合わせが原因でおきた不定
  愁訴を効果的に治療する方法とは?

矯正治療は歯を削ったりしない治療法なので歯にたいする侵襲がすくない治療法です。

矯正治療は個々の歯の位置や方向を変えて歯並びを整えるためには効果的であっても、下あご全体の位置を変えたりする治療には適していません。

矯正治療は見た目が悪い歯並びをきれいに整えるための治療法として発展してきました。

しかし悪い歯並びをいくらきれいに整えても不定愁訴が改善されるわけではありません。

不定愁訴は悪い歯並びのせいではなく、下あごの位置を狂わせてしまう特殊な噛み合わせのためにおこる不快症状だからです。

そのためいくら歯並びが悪くても不定愁訴がない人はいくらでもいます。

特殊な噛み合わせとは歯が噛み会う度に下あごの位置をずらしてしまう噛み合わせのことです。

噛み合わせによって下あごがすらされると、下あごに付着している顎の周辺の筋肉や顎関節が安静を保てなくなり過度に緊張することによってでさまざまな不快な症状がもたらされます。

さまざまな不快な症状(不定愁訴)を治療するためにはずらされた下あごを筋肉や顎関節が緊張しない安静な位置にもどすことが必要で、それができれば効果的に不定愁訴を無くすことができます。

そのため不定愁訴の治療は歯並びの治療ではなく下あごの位置を修正する治療が主体となります。

1-1.矯正治療は不定愁訴の治療でではなく症状がなくなったあとで噛み合わせを治す手段として使うと効果的

治療の目的は不定愁訴を解消することですが、はじめから矯正治療で不定愁訴を解消しようとすることはあまり良い方法ではありません。

不定愁訴は下あごの位置がずれることで起こりますので不定愁訴を解消するためには下あごの位置のズレを修正しなければなりません。

しかし矯正治療は下あごの位置のずれを修正するための治療手段としては効率がわるく、そのため治療期間が長くかかる傾向があります。そのうえ効果が不確かになりがちです。

そのためだらだらと治療が長引きその結果不定愁訴はなくならならなかったという結果になりかねません。

その理由は矯正治療は個々のはを動かす手段としては優れていますが下あご全体の位置を正確にコントロールするという手段としては技術的に効果的ではありません。

そのため下あごの位置を正して不定愁訴を解消する手段としては矯正治療ではなくもっと効率的な別の方法を選択する方がよいのです。

それはマウスピース(スプリント?)を使うという方法です。

マウスピース(オーソシス)を使用すると、下あごの位置を正確に管理して修正することが出来ます。

下あごの位置を正確に把握して不定愁訴が消えるあごの位置(下顎安静位)を正確に検索してオーソシスで誘導することができれば不定愁訴を確実に消すことが出来ます。

効果は早ければ1~2週間から3カ月くらいの短期間で現れて不定愁訴の症状を解消することができます。

不定愁訴の症状が緩解したあとは下あごがズレる原因となった噛み合わせを治す治療を行うことになります。

原因となった悪い噛み合わせを治すことで、オーソシスをはずしても不定愁訴が戻ってこないようにすることができます。さもなければオーソシスをずっと使い続けけなければなりません。

オーソシスを使わなくても不定愁訴が戻ってこないようにするためには、不定愁訴が起こららない下あごの位置(下顎安静位)で元の歯が噛み合うように噛み合わせを並べかえて咬合を再構成する治療が必要になります。

この段階目の治療をそれまでの症状を解消するための治療(初期治療または一次治療)と区別して、二次治療(セカンドフェーズ)と呼んでいます。

噛み合わせの治療は不定愁訴を消す段階(一次治療または初期治療)と悪い噛み合わせを治す段階(二次治療)の二段階に分けて考えて治療する方が安全で確実な結果が得られます。

矯正医療は噛み合わせを治す段階である二次治療で行うと効果を発揮してで確実な成果を得るために役立ちます。

噛み合わせの治療で一番多くみられる失敗(不定愁訴が消えない)はこの二つの段階の治療を漫然と渾然一体でおこなってしまうことでおきます。

悪い噛み合わせを治せば不定愁訴が無くなるはずだと考えて矯正治療などを始めてしまうことが多いのですが、うすると歯並びだけが改善して不定愁訴は解消しなかったなどという結果になりかねません。

矯正治療が長々と行なわれたあげく不定愁訴はそのままになってしまったという悲劇的なことはよく見聞きすることです。

または漠然と歯を削る咬合調整をして歯をたくさん削られたあげくに、かえって症状が悪化したなどということも頻発しています。

そのようなことを避けるためには治療の初期に比較的に短期間でおわる不定愁訴をなくす治療を先に行って、噛み合わせの治療は後から行う方が効果は確実で安全です。

一次治療で不定愁訴を消したあとで二次治療として原因となった噛み合わせの治療をするするという治療方法は噛み合わせ治療の原則ですが、それには重要な理由があります。

一次治療で不定愁訴を確実に消すためには不定愁訴が起こらない下あごの位置である下顎安静位を探すことが不可欠です。それができなければ不定愁訴を消すことは出来ません。

不定愁訴を起こさないあごの位置である下顎安静位を見つけるためにはそれなりの蓄積されたノウハウがあります。

残念ながら現状ではどこの医療機関でも出来るわけではありませんが、それが可能なために自信をもって治療を進めることができています。

不定愁訴を起こさない下あごの位置は下顎安静位と呼ばれている下あごの位置のことですが、この下顎安静位がすべての噛み合わせ治療の鍵をにぎっています。

オーソシスを使ってその下顎安静位に下あごを誘導することができれば不定愁訴を解消することができますが、それは正しい下顎安静位が見つからなければ達成できません。

治療効果が達成できたということは有効な下顎安静が見つかったということを裏付けることになり、効果が実証された下顎位として有効性が認められたことになります。

二次治療以降では有効性が確認された下顎位をつかって噛み合わせの治療をすることができますので、不定愁訴を再発させない噛み合わせ治療を安心して行うことができます。

それ以降の治療は実証された下顎安静位が保たれるように注意して行えば不定愁訴の再発のことは心配しないで自信をもって治療をおわらせることができます。

一次治療は下顎安静位を探して患者さんのあごを下顎安静位に導き不定愁訴をなくすための治療ですが、下顎安静位を探してその位置の有効性を確かめる治療でもあります。

一次治療で有効な下顎位を見つけて不定愁訴を消すことが出来ないかぎり、二次治療に移ることは許されません。

二次治療は歯を削ったり動かしたりする治療が多いので、歯に対する侵襲度が強く、後に戻すことが出来ない不可逆的な治療を多く行うことになります。

そのように犠牲の多い治療を行うに際してその結果、不定愁訴を解決することが出来なかったということになればその責任は償いようのない重いものになります。

そのようなことを避ける意味でも噛み合わせの治療は二段階に分けて行うことが不可欠です。

1-2.不定愁訴の治療でオーソシスをつかってあごの位置を修正するとほぼ確実に治すことが出来るのはなぜか?

しつこい肩こりや首筋の痛み、締め付けられるような頭痛や目の奥の痛みなどの筋肉症状、治りにくい顎関節症、不眠や疲れやすさ、便秘や激しい生理痛などの不定愁訴はどこの医療機関に相談しても根本的な解決は得られません。

しかしこれらの症状を下あごの位置の異常からくる筋肉の緊張が原因であると考えて治療をすると、ほぼ完全に解決することができます。

これはまだ一部の臨床家の間でしか実行されていませんが、50年前からある考え方と治療法です。

これははまだ一般的に支持されているとはいえませんが、われわれが所属している学会では既定の事実として共有されています。(国際顎頭蓋機能学会日本部会ICCMO)

この学会で提唱している次のような概念を理解して治療法のステップを忠実に実行することで夢のような結果が得られます。

 1.さまざまな不定愁訴の本質は筋肉の過度な緊張である

 2.肩こりや首のこり、緊張型の頭痛などは下あごの周囲の筋肉の緊張から派生しておこる

 3.下あごの筋肉が緊張する原因は下あごと頭蓋の相互的な位置関係が異常になるためである

 4.下あごの筋肉を緊張させる原因は歯の噛み合わせが下あごの位置を狂わせるからである

 5.下あごの周辺の筋肉が安静を保つことができる下顎安静位では不定愁訴はおこらない

 6.不定愁訴を治療するためには下あごの位置を下顎安静位に保つことが必要である

 7.下あごを下顎安静位に置くことが出来れば不定愁訴は解消する

 8.そのためには下顎安静位を探さなければならない

 9.下顎安静位は下あごをの筋肉を一時的に安静に導いて採特する

10.下顎安静位を採特することができたらその下あごの位置でオーソシスをつくる

11.そのオーソシスを使ってもらい不定愁訴が無くなったらその下顎位は正しいことがわかる

12.下あごをずらす噛み合わせは下顎安静位で噛み合うように治療する

13.下顎安静位をみつけて不定愁訴をなくす治療とその位置で歯が噛み合うようにする治療は
   二つの段階の治療であると考えて治療することが大切である

14.第一段階に治療で下顎安静位をさがして其位置で不定愁訴が消えないようであれば第二段階
   の治療は行わないようにすることが重要である

15.下顎安静位を探す時もその位置でかみあわせを治療する時にも下顎位をK7(顎運動追跡
   記録装置)で観察しながら行うことで正確で確実な治療をすることが出来る

以上のような考え方と治療の手順を守れば不可能と思われていた困難な不定愁訴の治療をだれでも確実におこなうことが出来ます。   

残念ながらこのような方法で不定愁訴を治療している医療機関は限られています。

このような治療を希望される場合には下記の学会のホームぺージにアクセスして会員のページからお近くの医療機関を探されることをお勧めします。

       国際顎頭蓋機能学会日本部会(ICCMO-J)
                    www.iccmo.jp/

1-3.不定愁訴が解消したあとで行う悪い噛み合わせを治すための二次治療には二つの選択肢がある

初期治療または一次治療で不定愁訴が解消されたら治療の目的は達成されたようですが、治療はこれで終わりではありません。

下あごの位置をずらして不定愁訴の原因となった悪い噛み合わせはをのままですから、オーソシスは手放せない状態です。

オーソシスの着用を中止すれば悪い噛み合わせの影響で不定愁訴が再発するおそれがあるのでやめるわけにはいきません。

かといってオーソシスを着用したままでは食事もできませんし、会話も不自由です。

一刻でも早く噛み合わせを治してご自分の歯で不定愁訴の再発を心配しなくてもよい生活に戻りたいと思われるのは当然です。

そこで噛み合わせを治してご自分の歯で生活できるようにするための二次治療を始めることになるのですが、この治療はある意味で一次治療よりははるかに大変な治療です。 

その理由は治療に要する治療期間と費用がはるかに長く高額になるからです。さらに技術的な難易度も高く熟練の技術が要求されます。

噛み合わせを治す二次治療の方法には技術的に二つの方法があります。

そのひとつは噛み合わせを治すためにご自分の歯を削って人口の歯を被せて形態を変えて上下の歯が下顎安静位で咬合するようにする治療で補綴的咬合再構成治療とよんでいる治療法です。

もう一つの方法はご自分の歯を移動させても区t期の位置まで動かして下顎安静位で咬合させる方法で矯正的咬合再構成治療とよんでいる治療法です。

二次治療でそのどちらを選択するかはその時の下あごの位置関係や上下の歯の相互的な位置関係、歯並びの状態を考慮して決めますが、患者さんのご自分の歯に対する思いなどを考慮して選択します。

補綴的咬合再構成治療
 は、歯の形態を人工物を被せて変更する治療法なのでご自分の歯を大分削ることになります。
 まだ何も治療していな手付かずの天然歯の場合にはあまりお勧めしたくないような治療でです。
 はそのものにとってかなり侵襲の多い治療法です。

矯正的咬合再構成治療 
 は、上下の歯を下顎安静位で噛み合わせるためにご自分の歯を移動して噛み合わせる治療法です
 が、技術的難度は非常に高くこの方法に熟達している矯正歯科医はほとんどいません。
 そのため治療期間が酷く長くかかるのが難点です。
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2.矯正治療をつかって噛み合わせ治療するための具体的な
  治療法

3-1.一次治療

噛み合わせ治療のながれは以下のようになります。

  ・カウンセリング
  ・噛み合わせの異常と体調不良の関係を調べる
  ・筋肉の緊張の度合いを測る(筋電計)
  ・筋肉が緊張しないあごが楽な位置(下顎安静位)をさがす(TENSとK7を使用)
  ・そのあごの位置(下顎安静位)を維持するための装置を作って使用してもらう
  ・症状が改善されたら最終治療に移行する

3-2.二次治療

矯正治療をつかった最終治療(二次治療)

二次治療は一次治療で見つけて不定愁訴が消えることが実証された下顎安静位を維持しながら上下の歯をしっかりと噛みあわさせることが目的です。

一番のリスクは上下の歯が噛み合った段階であごの位置がズレてしまうことです。

矯正治療は補綴的な治療にくらべて下顎安静位を維持することが各段に難しい治療法です。

4.実際に矯正的な手段で咬合再構成した症例を紹介します

一次治療で不定愁訴を解消したあとで実際に二次治療で矯正的な手段により咬合を再構成した症例を紹介します。

4-1.症例の紹介

患者さんは当時45歳の女性で数件の噛み合わせ専門医でスプリント治療をうけていたのですが、きちんと噛めないことと月に8回おど薬を飲むほどの頭痛、肩こり、首、背中の痛みを訴えて来院されました。
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初診時の症状を示す

健康調査表を記入していただいたところ、上記の症状のほかに、目の疲れ、不眠、寝起きの悪さ、動悸、疲れやすさなどの症状を訴えておられました。

噛み合わせに関する病歴としては20年ほど前から顎関節症の治療を受けておられたとのことです。

噛み合わせ専門医のところで受けているスプリント治療自体にあまり納得がいかず、調整中に痛みが出たこともあったので転医して来院されました。

4-2.一次治療(初期治療)

治療は姿勢と口腔内の写真、歯の石膏模型の製作、筋電図検査、などを経てTENSで筋肉の安静化をしたあとで安静位での顎位の記録を採りました。

このようにTENSを使うということはわれあれの噛み合わせの治療では非常に重要でこれなしに噛み合わせの治療をおこなうことはできません。
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まずTENS(経皮的電気刺激装置)で顎の筋肉の安静化をはかる

K7(顎運動記録装置)上で下顎安静位と咬合位との比較をしたところかなりの乖離がみられましたので、顎位のずれがかなり大きいことが分かりました。
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上の図はK7(顎運動記録装置)で下顎安静位と習慣性咬合位を比較する画面を示しています。画面中央の赤い三角形が大きいほど両者の乖離が大きいことを示いています。顎位のずれが大きいこと分かり、症状の重篤さを知ることができる。

下顎安静位で石膏模型を咬合器にマウントすると顎位のずれ(乖離)の大きさ具体的に知ることが出来ます。
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上の写真は下顎安静位でマウントされた石膏模型をしめす。 

下あごの力が抜けたこの状態が下あごの筋肉が安静で楽な状態を示しています。筋肉が緊張していないこの楽な状態が保たれているこのあごの位置で上下の歯が噛み合っていれば不定愁訴は起こらないはずです。

ほとんどの普通の人はそのようになっていて下顎安静位と習慣性の咬合位は一致しています。

しかし実際にはこの患者さんは普段、下の写真のように上下の歯を噛み合わせていますが、このように噛み合わせている最中は下あごの周辺の筋肉は安静ではない緊張した状態に置かれています。無理を強いられる状態なのです。

実際に噛み締める度に不快感を感じることもあるはずです。歯を咬み合わせないで口を軽く開けていたほうが楽なはずです。
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初診時の患者さんの噛み合わせの状態(習慣性咬合位)

そのように上下の歯が噛み合う度に筋肉が安静を保つことができない位置にあご下あごを移動させらる噛み合わせは筋肉に負担を強いることになります。筋肉が緊張する原因となります。

一見異常に見える上の石膏模型の写真は、実は下あごの位置は正常(下顎安静位)で歯の噛み合わせが異常な状態を示しています。

また一見正常に見えるこの患者さんの普段の噛み合わせが実は異常であるということは下あごを安静位に導いてみないと知ることはできません。

これが噛み合わせが悪いということの本当の意味を具体的に示しています。

悪い噛み合わせを治すということは、正常な下あごの位置(下顎安静位)で上下の歯が噛み合うようにする治療のことです。

下顎安静位がみつかれば下あごを下顎安静位に導いてそこで下顎を保持するようにすると、下顎の周辺の筋肉は安静を保つことが出来て緊張しなくなり不定愁訴は消えます。

下の写真は下顎安静位をたもつためのオーソシスを装着しているところを示しています。
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透明な樹脂で作られているので見えにくいかもしれませんが下顎安静位に下顎を保持しているところを見ていただけると思います。

下の写真は下のあごに装着して使っていただくオーソシスを示しています。
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オーソシスにはこの写真のように取り外しができる可撤式のものと歯の上に接着してしまう固定式のものがあります。

オーソシス装着後の症状の変化

オーソシス装着後19日目の症状の変化

頭痛はまだあるが身体が軽くなった
以前より良く眠れるようになった
背中は良くなったが腰痛が強くなった
全体的には良くなっている
顎関節の左の方がガックンとなった
下顎を後ろに引いてしまう癖がまだある

オーソシス装着後一カ月半後の症状

頭痛はまだある
背中の痛みは気にならなくなってきた
眠りは以前よりさらに改善された

オーソーシス装着後1年半後に体調がほぼ改善されたので一次治療を終了することにしました。

K7のデータも下の図のようにオーソシスの咬合位が下顎安静位上にとどまっていることを示していますので、この顎位で二次治療をおこなうこができます。(初診の時にあった赤い三角がなくなっています)
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二次治療は相談の上矯正治療で行うことにしました。この患者さんのお口の中は殆ど補綴治療がなされていないので補綴治療はしたくないというお互いの意見が一致したのでそれに従いました。

4-3.二次治療

二次治療は下顎安静が見つかってその下あごの位置で不定愁訴を消すことができたことが確認されてから行います。 二次治療は治療の侵襲が大きな治療ですから、不定愁訴がなくなることが保証されないかぎり行ってはならない治療です。 それは医療倫理上当然のことです。 二次治療の目的は下の写真のように下顎安静位で上下の歯が噛み合っていない状態を噛みあうようにする治療ですが、その方法には歯に被せ物ををして歯を高くして噛み合うようにする方法と、矯正治療で歯を動かして噛みあうようにする方法があります。
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この患者さんは45歳とまだ若く、下の写真のように歯の治療痕も少なく、比較的奇麗な状態でさらに歯並びが多少乱れているところまあるようなので、矯正治療による咬合再構成を行うことになりました。
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矯正治療開始

矯正治療は下顎安静位を見失わないようにするために下のあごにオーソシスを装着した状態で開始しました。
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約2カ月後に上の歯の歯並びが整ってきたところでオーソシスを上のあごに新し作って下顎安静位が失われないようにして下の歯の矯正を始めました。
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このように新たな顎位(下顎安静位)で上下の歯が噛みあ会うようにする矯正治療はこれまでに行われてこなかった治療なので顎位を維持するために上下を別々に治療しなければなりません。

そのため治療に要する治療期間は長くなります。

約一年後、上下の歯列も整ってきて顎位も安定してきました。
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さらに一年後上下の噛み合わせはさらに安定してきますた。もちろん不定愁訴は再発していません。
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それからさらに一年後に装置を外して矯正治療を終了しました。

治療期間は5年を費やしてしまいました。
もっと治療期間を短縮するためにはどうすればよいかを反省をこめて考慮中です。
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5.まとめ

矯正治療は元の歯を削ったり被せたりしない治療法なので歯に優しい治療法です。

しかしあごの位置を正確に位置づける手段としては未解決は部分が多い治療法でもあります。

最近ではマウスピースをつかった歯列矯正法が急速に発展してきておりますので、これらの問題は一挙に解決されるかもしれません。