耳が詰まった感じ、噛み合わせとの関係は? 20年来の耳閉感が噛み合わせ治療で解消した患者さん

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トネルなどに入った時に耳がツーンと詰まった感じがすることがありますが、多くの方は「耳抜き」を行う事ですぐに改善しますが、それがどんなことをしても改善せずに20年間続いたらどうでしょうか?

さぞかし辛いことだと思います。

もちろん耳鼻科には何度も相談されたことでしょうが解決されなかったようです。

耳閉感は鼻と耳をつなぐ耳管という管が詰まったり開きっぱなしになったりすることでおこる症状ですが、いまだに有効な治療法はないようです。

耳管を閉じたり開いたりする筋肉がうまくはたらかなくなることが 大きな原因のひとつであると考えられています。

通常は唾を飲み込んだりするとその筋肉が同時に働いて耳管を開いたり閉じたりするのですがそれ機能しなくなっているのです。

それらの筋肉は下あごの位置を調整することで正常に機能するようになるということは50年も前から一部の歯科医のあいだでは良く知られてきた事実です。

一般的に下のあごが後ろに下がっていると耳管が圧迫されて耳が詰まった感じになると言われています。

今回ご紹介する症例はそのように下あご(下顎)の位置を調整することによって解決することができた実例です。

1.症例の紹介

患者さんは当時55歳の主婦のかたでした。

20年くらい前から耳が詰まったような感じがするということで来院されました。

耳鼻科にかかたりしていたのですが、治っている気がしなくて自分では何となくあご(顎)からきているのではないかと思い、銀座の歯科医に相談したところ歯がきれいに噛みあ合っていないためなのではいかといわれました。

このまま放置すると将来嚥下が出来なくなるのではないかと思い来院されました。

2.下あごのズレの測定と診断

さっそく下あごの位置のずれを計測することにしました。

下あごの位置のずれを計測する装置は50年もまえから存在していて一部に歯科医には使われてきていますが、十分に活用している歯科医はわずかです。

その結果をここに示しますのでご覧になってください。
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一見すると複雑で難しそうですが、要点だけを説明します。

画面中央の上部に赤い三角計があってその上に赤い数字で3.7と書いてありますがそれは下あごが
3.7mm後ろにずれていることを示しています。

さらに画面の左下に緑いろの折れ線がありますが、そこに緑いろの数字で1.1と出ていますがそれは現在噛んでいるあごの位置が1.1mm右にずれていることを示しています。

それはあくまでも下あごが楽な位置(下顎安静位)を基準にしてそこからの距離を表しています。

このずれを修正して下あごを下顎安静位に誘導して安定させるとか下あごの周辺の筋肉が安静に保たれるようになります。

そうすると耳管の開閉を行っている、口蓋汎挙筋や口蓋汎張筋などという筋肉も安静をとりもどして正常な機能を営むようになります。

3.下あごの位置のずれを修正

下あごのズレを修正してあごを安静位に導く役割を果たすのは、マウスピースの一種であるオーソシスという装置をつかいます。

下の写真はその装置を装着しているところを示したいます。
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オーソシスは透明な樹脂で作られているので見えにくいかもしれませんが、下の歯の上に装着されています。

この装置を付けている間は下あごは下顎安静位に位置づけられて安定しています。

食事以外の時間は使用していただけたら短時間で効果があらわれます。

下の図はその時の下あごの位置を示しています。
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この図はオーソシスをはめている時のあごの位置を示していますが、前の図でみられた赤い三角形は無くなりました。

また図の左下の方の緑の折れ線の折れ曲りがなくなりますた。これはオーソシスをいれてていれば下あごの位置が左右にズレないないことを示しています。下あごがいつも真っすぐに閉じるようになったので、顎が安定して開閉運動ができるようになったことを示しています。

4.下あごのズレを修正した結果

オーソシスを装着した直後の患者さんの反応

3週間後: ・ 顎が前に出てきた感じ
       ・ 最初は違和感を感じたがいまは楽に感じている
     ・ 耳の詰まりが少し良くなった。
     ・ 朝起きてから10時くらいまでは耳が詰まりはのこっているが昼間はほとんど
       なくなり楽になってきた
     ・ オs-ソシスの効果を感じている

2ヵ月後:・ 耳の詰まりはあまり気にならなくなった
     ・ 20年ほど症状がでていたので、とてもうれしい

その時の喜びのお気持ちを手記にしたためて下さいましたので紹介させていただきます。
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20年以上の耳のつまり感が消えました!

23年くらい前からどうも耳の奥の方で詰まっているような違和感があり耳鼻科に通いました。聞こえに異常はなく吸入などしましたが、治る感じがせず耳の後ろの顎関節を強く押したりしてやると少し治るので、その頃から嚙み合わせだなあと自分なりの診断をしていました。

出っ歯と歯並びの悪さから、自然に口を合わせた位置からものを噛むときには下顎が奥に入っていたのは自覚していたからです。

でもこの嚙み合わせを診て下さる先生はいらっしゃらず、虫歯の治療でかかってかみあわせを尋ねても上手にごまかされたり・・・

矯正をしている知り合いがいたらどこにかかっているのか歯医者さんを聞き、何軒か相談もしましたがどうも私の違和感を理解してくれる様子ではなく相談だけで終わりました。

50代も半ばを過ぎもう諦めていよいよ悪くなったら入れ歯にしようと思っていたある夜、おばあちゃんになって嚥下できなくなる夢をみました。そしてあきらめずに先生を捜してみようと思った時、身近な方で矯正なさってたのにどこにかかってたのかお聞きしていなかったのを思い出し、その方からやっと安部井先生にたどりつきました。

すぐにいらっしゃいと言って診てくださり、問診と私の顔をみただけで症状をきちんと理解してくださいました。先生が仰る治療の見通しと具体的な治療の方法も、ひとつひとつが納得のいくものでした。

オーソシスを入れて1カ月経過しただけで耳つまり感は消えて体調はすこぶる良くなり、下顎がきちんとした位置で落ち着いたので表情も変わりました。長い間劣等感を持っていた歯並びが直りはじめると友人からも「何か感じが変わったよ」等と言われるので「今、口の中の大工事中なの」といっています(笑)。

まだまだ治療は道半ばですが、安部井先生に出会えた幸運に感謝すると同時に噛み合わせのことをきちんと診て下さる先生が増えることを切に願います。

この患者さんは歯並びがかなり悪かったので、現在矯正治療をさせていただいております。

まとめ

耳鼻科でも治せなかった自閉症が歯科で治せるということは意外に感じられたことと思います。

歯科でもすべての歯科医が治せるわけではなく、ニューロマスキュラー理論という考え方に興味をもって研鑽してきた歯科医だけが確実に治せる技術をもっています。

このブログはこのニューロマスキュラー理論をもっと多くの人に知ってもらいその恩恵をできるだけ大勢の人々にもたらすことを目的として書いています。